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旅行に行くと、結構本、読むんだよねえ。
日本を離れると、日本語のもの、たとえばテレビ、音楽、雑誌などが極端に少なくなります。それと反比例するように、ヒマーな時間が増えます。たとえばながーい移動とか、なかなか正確にこないバスの待ち時間、ビーチなどなど。ヒマなうえに日本語に飢えてるので、もうガイドブックなんかもすみからすみまで読むくらい。ましてや本は日本語のかたまり、日本を感じるナイスな方法なわけです。

このコーナーでは僕らが読んだ本の中からいくつかを紹介します。
紹介してる本はAmazon.co.joというインターネットの本屋さんですぐに買うことができます。 欲しい人は、[■買う>>]をクリックしてね。
Amazonから売り上げの5%くらいがぼくに還元されます。よろしく。
■旅行中どうやって日本の本をgetするのか?
旅行中でも日本人バックパッカーの多いところには、古本屋があったり、日本人宿には日本の本がおいてあったりします。旅で出会った日本人と、持ってる本を交換するのも楽しみのひとつです。また、大都市には日本のデパートがあったりして、高いですが日本の本や雑誌を買うことができます。 写真はカトマンズのブックエクスチェンジ(ふる本屋)


ホントに行っちゃう
海外生活マニュアル―エリア別

ニッポン脱出委員会(編集)
価格: ¥1,000

みひらきで世界のいろんな街をひとつ紹介してる本。みどころや雰囲気がおもしろおかしく書いてある。歴史やまめ知識見たいなのも書いてあって、コレ見てから行くと、滞在がおもしろい。いろんな街の物価や治安など、生活するためのスペックが載ってる。行く前にだいたいの滞在イメージがわくので旅行中も重宝した。

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■旅行に行く前に旅行記分を高める

行く前に読んで、便利そうで持っていったのがこの2冊。
「世界の鉄道旅行案内」 これを見てほとんどの列車に乗りました。乗るためにいった国もあるくらい。ぼくなにをかくそう「プチ鉄っちゃん」なんです。僕らがいった2002年とタイムラグがあるので随分サービスが向上してる列車や、もうすでに廃線になってるところもありました。

各国の情報がコンパクトにまとまってる「海外生活マニュアル」は、次に行く場所をきめる時、その場所の治安や物価などを知る上で重宝しました。実は旅行に行く前、これみて行き先を決めたぐらい。


■その国の常識を知る本


単一民族だと思っている日本人にとって、あまり縁がない民族についての常識は「知らなかった」ではすまされないことがあります。その国・その民族の常識を知っておくことは、旅の安全の上でも役に立ったのはもちろん、歴史的背景を踏まえた上で、その街をあるくのは、知れないで歩くよりも全然面白い。
隣の国に行って、前の国の話をするのはあんまり喜ばれなかったりする。だって、そこに国境を引いて別の国にするわけだから、お互いに複雑な関係があることが多いわけです。 陸続きにいろんな国を旅するっていうのはちょっっと心構えが必要。ぼくらが感じた中ではエジプトとイスラエル、中国とベトナム、ペルーとボリビアとチリとか複雑そう。

多くの国に深く根ざしているもの、たとえば宗教や食べ物の本も興味深かった。カレーや旧約聖書、シエスタの習慣などなど、興味は尽きない。

個別の国を取り上げた本もいろいろおもしろい。 ベトナムで「ホーチミンてどんなひとなんだろ」とか、「毛沢東ってどんなことをしたのか」「台湾問題って何」「カナダはアメリカ人が嫌いなのかなあ」などなど、旅行中にその国のことを知りたくなるのはよくある当然で、そういう本もけっこう読みました。

世界の鉄道旅行案内
講談社現代新書
桜井 寛 (著)
価格: ¥940

世界中のいろんな鉄道のレジュメ。作者が乗った体験談。
車が普及してる現代、世界では鉄道は過去のモノになってる国がおおくて必ずしも便利ではないし、バスにくらべて割高。でも鉄道を選ぶのはやっぱり「世界の車窓から」気分を味わいたいからだなあ。
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民族世界地図
新潮文庫
浅井 信雄 (著)

世界各地の民族問題をとりあげた本。
たとえば中東情勢のニュースで必ず出てくるイスラエルとパレスチナってなんなのか?テロ事件以降気を使う話題、イスラム教の常識、ヒンズー教と仏教のこと、アメリカ人はなぜ正義がすきなのか、なーんてことがこの1冊で良く分かる。また同じ国の中でもこんな民族問題があったのかってことを知ると、ますますその国の現在が面白く感じられます。タイで買って、そのあとずっと新しい国に行くたびに読んで、いい勉強になりました。
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旧約聖書を知っていますか
新潮文庫
阿刀田 高 (著)
価格: ¥514

あらゆる意味で西欧の考え方の原点「旧約聖書」。その世界のエッセンスのみを抽出して解説したダイジェスト。
コレのおかげで、宗教画の世界がよくわかりました。おなじような体裁の「ギリシャ神話を知っていますか」てのもあります。
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韓国が死んでも日本に追いつけない18の理由

文春文庫
百瀬 格 (著), 金 重明 (原著)

タイトルは過激だけど、内容は
長い間駐在していた筆者の非常に韓国にたいする愛情が感じられる本で、お隣の国の常識、非常識、仕組み、タブーなどがよくわかります。
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ヴェトナム
―「豊かさ」への夜明け

岩波新書
坪井 善明 (著)
価格: ¥780
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アジアの歩き方
講談社現代新書
野村 進 (著)
価格: ¥680

「アジア」は、ひとくくりにできない!そんな話から、国ごとにどんな違いがあって、またそれぞれの国は隣り合った国とどんな問題があったのか、過去にどんな歴史があるのか、などなど、国々を知るのに大変やくに立ちました。タイとミャンマー、インドとネパールなどなど、僕らにとってはにた雰囲気の国でも、いまそこが二つの国である理由、いまの国境の理由、仲が悪いのか良いのか、はたまた旧日本軍はどんな影響を与えたのか、戦後の日本人は何をしてきたかなどの早分かりです。
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インストール
綿矢 りさ (著)
価格: ¥1,000

この本の作者は当時高校生で、ニュージェネレーション小説とか、ケータイ小説とかいって話題になった。この小説の中で展開される世界は、現在の日本のでなくては成り立たない。インターネットと現実世界をまたぐ物語。
この本、ネパールのカトマンズの古本屋で買ったんだけど 「そうだ、こういうことって日本ならたしかにありそう」っていう感覚が、そんなこと10年たっても絶対無さそうなネパールで読んだことで、妙に新鮮でリアルだった。「旅行中」っていう自分のぼんやりしたスローな状況と、「実際の日本」のめまぐるしい現実の差が、なんかすごく印象に残っています。実際物語もおもしろかった。
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■物語で日本を思い出す

小説もよく読みました。
なかでも吉本ばななの小説は、ちょっとした物語のなかに、考えさせられるものがたくさんあって、単に物語を読んでストーリーをなぞるというよりも、いろいろ考えるきっかけになります。時間がいっぱいある旅行中には、刺激的でした。おかげでほとんどの作品を読んだと思います。なかでも旅行をもとに書かれた本はおもしろかった。

逆に、おもいっきり日本を舞台にしたドメな小説、たとえば赤川次郎とか宮部みゆきとか、さらには時代劇なんかも読んだ。「おお、そうだ、日本ってこんなかんじだったよなあ」とか思い出して、日本の幸せな雰囲気をうらやましく思ったり、サラリーマンものだったりすると、あまりに不幸せそうで旅行に来ててよかったなんて思ったり...


SLY(スライ)―世界の旅 2
幻冬舎文庫
吉本 ばなな (著)
価格: ¥533

筆者のエジプト旅行をもとにした小説で、この小説と同じコース、同じ乗り物でぼくらも旅行しました。 アスワンからルクソールへとむかうナイル川のクルーズは、物語通りの進行で、各遺跡に対する小説の記述が、僕らの旅行も面白くしてくれました。

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マリカのソファー
/バリ夢日記―世界の旅1

幻冬舎文庫
吉本 ばなな (著)
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天国にいちばん近い島

角川文庫
森村 桂 (著)
価格: ¥485
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いまでも天国にいちばん近い島
―物語と写真で甦るニューカレドニア心の旅

森村 桂 (著), 後藤 鉄郎
価格: ¥1,600

ヌーメアの旅行代理店で購入。この美しい景色の写真が、ほんとに目の前にあるのがすごかった。
小説は全部でなくて、一部分だけが載っている。
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ナスカ砂の王国―地上絵の謎を追ったマリア・ライヘの生涯
文春文庫
楠田 枝里子 (著)
価格: ¥417
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イギリスナショナル・トラストを旅する
横川 節子 (著)
価格: ¥1,600

これはイギリスの田舎コッツウォルズに行く動機になった本。ナショナルトラストという団体が、美しいイギリスの風景に、いかに貢献しているかがよく分かる。が、それよりも「この本のこの場所に行きたい!」っていう気持ちが膨らむ本です。しかも行った場所はどこも本よりもすばらしい景色!おそるべしイギリス。詳しくはコッツウォルズのページで。
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■ガイドブックがわり

名所紹介の本も読みました。 旅行の気分を盛り上げたり、参考にしたり。
ガイドブックみたいに詳しい行き方とかは載っていないんだけど、歴史的背景やうんちくなんかが一杯で、コレ見ていきたくなった場所の代表がイギリスのコッツウォルズ。まさに本通りのきれいな景色には驚いた。

訪れた場所が舞台になってる小説なんかも実感が湧いておもしろい。
オーストラリアで読んだ「冷静と情熱のあいだ」なんかも、イタリアで読みたかったなあとおもった。

楠田枝里子がかいた、「ナスカ砂の王国―地上絵の謎を追ったマリア・ライヘの生涯」は、かなり感動した本の一つ。ナスカに行く人はぜひ読んでから行くのをお勧めします。ナスカの地上絵の説明はもとより、地上絵の保存に生涯を捧げたマリアライヘという女性にスポットをあてた本。
マリアライヘは最近他界したのだけど、僕らがナスカにいった時も、その弟子だというおばあちゃんが、熱心に測量していた。

禅と日本文化
講談社学術文庫 柳田 聖山 (著)
価格: ¥860

外国人にとって日本は「zen」の国である。とうの日本人がよくわかっていないこの禅と宗教と、その考え方、歴史などを、大変分かりやすく 説明。目からウロコでした。なぜかカナダのバンクーバからアメリカのシアトルに行く電車の中で読んだ。
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■外国にいるから日本を考える

日本をとおくはなれてるからこそ逆に日本のいろんなことを考えてしまうのも長期旅行の特徴かな。日本のほうがココがいいとか、なんで日本はこういうふうにならないのか? なんて。
歴史から現代の日本をひもとく司馬遼太郎の本はよく読んだ。それから外国人から見て「日本と言えば...」の代名詞、わびさびとか禅とかそういう本もけっこう読みました。

それとね、おまけ。
行く前に参考になったのが、「フリーのための「青色申告デビュー」ガイド」 。会社やめる前になにをするべきか、会社やめたらどうなるのかっていうのことがよく分かりました。
フリーのための「青色申告デビュー」ガイド
はにわ きみこ (著)
価格: ¥1,300

会社やめるまえにコレを買って、会社辞めるとどんな不利益になるかを確認。歯医者やクレジットカード、保険料などなど痒いところに手が届くぜ!
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ほかに旅行中にいい気分になったのは日本の雑誌。
雑誌は内容も充実してるし、写真もおおいし、特集なんかすごくよくできてるし、企画もしっかりしているので見てて飽きないんです。ましてや旅行関係の特集の雑誌なんかだと、シンクロして体験できるわけで、もう、すごいグーです。 こういう旅の特集は、ガイドブックよりぜんぜんイイところたくさん紹介されてます。ベトナムはクレアのベトナム特集、イタリアはフィガロジャポンのイタリア特集を参考にホテルを決めたりした。これが本当に大当たり!。雑誌はすごいよ。情報新しいし。写真きれいだし。
旅行の参考になったのはCASAブルータス。この雑誌の後ろの方に、毎号一都市を紹介するコーナーがあるんだけど、ここで紹介去れてるレストランやホテルやお店は、スノビッシュでオシャレで、今風なところが多いんです。「歩き方」に絶対載らないような。シアトルやオークランド、ロスではかなり参考になりました。
あと、世界の美術館特集とか安藤忠雄特集とかも。
雑誌は重いから、行く前にページをデジカメで撮って、パソコンにデータとして入れて持ってったのね。重いパソコンもってくなら、こういう使い方もあるよ。



Thanx for all of cheers and all of kindness. We are realy happy man.

2002 Hayato Setsu and Sanaichi Tashiro