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5days |
ハンさん |
■ホイアン と日本人橋 昔、江戸時代、朱印船貿易というのがあったのを御存じでしょうか? 徳川幕府の許可証が朱印状、それをもってアジアに貿易に出たのが朱印船です。 東京から飛行機で6時間ほどのこの距離を、昔の人は季節風に乗って船でここホイアンまで旅をしました。長崎からほとんど大陸ぞいにまっすぐ、台湾と大陸の間をとおり、香港マカオをかすめさらに進んだどん付きがホイアンになります。 ホイアンは海から少し川をのぼったところにある町です。ここは1999年に世界遺産に登録されました。この町が当時の景観や町並みをよく残しているからです。 ここはほんとに小さな村で、川沿いに道が三本並行並んでいて、それと垂直にいくつかの道があり、それが全てです。感覚的には飛騨高山の町並みを、並びと道幅ごと少し大きくしたようなかんじです。 昔の絵巻物をみるとほんとに当時と今がそんなにかわらないことが良く分かります。 家屋は京都の町家のように、入り口が小さく奥に長いつくりです。中庭がありその奥にまた部屋があり、さらにその奥に庭。二階建てや三階建てのものもおおいです。 日本の建物に似ていたり、ベトナム独特の建物のつくりだったり、中国式の装飾がされていたりもします。おおくの家屋は実際に人が住んで生活しています。お土産物屋、ギャラリー、レストラン、カフェ、ホテルなどなど、多くは中に入ることができるので大変興味深いのです。 ゆっくりまわっても三時間程でおしまい。小さな街ですが、日本、中国のお祭りやお寺の文化、フランスのカフェや洋服の仕立ての文化などが、地に足が付いた感じで融合していて、うそっぽくないところが素晴らしかったです。 |
ヴィンフンホテル2 ホイアンには中国式の古い家屋をそのままホテルにしたヴィフンホテルというホテルがあります。メインストリートに面した部屋はスイートルーム、二百年前の鏡台や椅子など本当のアンティークを使うことができます。値段は一泊45ドル。でもここホイアンでは高級。 ぼくらはそこにとまりたかったのですが、空きがなくて、そのホテルのオーナーがすこし離れたところに作ったヴィンフンホテル2というホテルにとまりました。とても居心地がよかった。このホテルは中庭に小さいプールのあるのです! 昼はもちろん、夜プールで泳ぐのはとても気持ちが良いです。(タイトル写真)月明かりがとてもきれいでした。 三階建てのこのホテルは、中庭プールを囲むように部屋が並んでいて、部屋の調度品は中国様式とベトナム様式のモダンスタイルです。 このホテルのいごこちのよさは、プールなどの設備はもちろんなのですが、スタッフもすごく丁寧だったからだと思います |
乳毛のある牛 |
■ミーソン遺跡 ホイアンからバスで一時間ちょっとの山の中、これ以外なんにもないような山の中にミーソン遺跡があります。西暦400年に木造でつくられたその場所に、その後700年くらいかられんがの建造物がつくられはじめたたそうです。規模はそれほど大きくはなく、二時間の見学時間で充分でした。晴天の日に行くと暑くて大変らしいですが僕らが行った日は曇りで、ちょうど良い気候でした。 ぼろぼろこぼれているれんが、草ぼうぼう、ずさんな展示環境、お世辞にもきれいとは言えませんが、遺跡っぽさはなかなかでした。西暦400ー700というと、日本の大和、奈良時代にあたります。そのころの日本のお寺、たとえば法隆寺や東大寺の大仏殿、また、古墳などと比較してみるとおもしろいです。かたや仏教、かたやヒンズー教なのに、同じ意識の部分もあれば、全然違う美学に基づいている部分もあるからです。表面は全然違いますが、お寺の配置が少し似ているのには驚きました。 顔がない仏像をはじめ、ほとんどは略奪、破壊で、見るも無惨な状態をしています。仏像のポーズや台座が日本の仏教のものによく似ている首のない像がけっこうあります。それを奈良時代の菩薩像などになぞらえてイメージすると、建立当時はさぞ素晴らしい美しい空間だったんだろうなと思えました。 それにしても仏像や遺跡のところどころにある弾痕が痛々しかったです。 |
トアとジョン 彼女達とすごした、丸まる一日はほんとに楽しかったです。しかも助かった! 電車の中ではいろんな話をして、ダナン駅についてからは、切符の手配、それにホイアンまでのタクシー交渉など全部やってくれました。 同じホテルにとまって、(彼女達はたったの一泊でしたが)いっしょにごはんもたべました。 おもしろかった。ありがと。 |
■ホイアンまでのみちのり--ハノイから夜10時の寝台急行で-- ハノイのホテルを8時半にタクシーで出て、駅まで向かった。速く着き過ぎた。ようやく出発30分前に改札があいた。首都の駅とは思えない小さな駅ですが、旅情は満点です。ホームを渡る陸橋もなく、線路をよこぎります。プラットホームもチンチン電車みたいです。 ハノイを出て二晩でホーチミンシティにつくこの電車はガイドブックに書いてあるよりはるかに快適でした。僕らが乗ったのは一等(といっても単に二段寝台でコンパートメントでエアコンつきというだけ)で、驚いたのは、朝昼晩の食事がでるんです。飛行機みたいな弁当ですが、スープがあったり、にくまんだったり、なんとなく牧歌的。 音はすごくやかましいですが、トイレや洗面もある。(子供のころ乗った国鉄のトイレみたいです。けっこう清潔、しょっちゅう係りの人が掃除してた。) このベトナムの鉄道はフランス統治時代に敷設されたショボショボのメーターゲージというせまいレール幅なんです。だからすごく遅い。平均時速は50キロほどです。しょっちゅうカブにおいこされてた。カーブなどは超遅。自転車なみのスピードくらいしか出ません。だから車窓の風景がすごくゆっくり流れます。ほんとに「世界の車窓から」ってかんじ。 いやあ、よかった。本をよんだり寝たり、幸せな時間です。途中、駅でもなんでもないところでとまります。単線なので向こうから来る電車と行き違い待ちです。えのでんみたいだね。 添乗員も実にのんびりしてます。社会主義ですから添乗員のかずも半端じゃありません。こんなにヒトいるのか?というくらい。僕らの車両だけで4、5人います。 で、びっくりは、昼御飯が終わった時に、なーんか酒臭い車掌がきて、ぼくらのコンパートメントに座って話しはじめたと思ったら、帽子をおもむろに脱いで、シャツのボタンをはずして上段ベットにのぼって寝ちゃった。二時間くらいかな。ベトナムにはなぜかシエスタがありますからね。まあ、いいか。 (右写真。下はやっぱり寝るさないち) まあ、そんなふうにのどかに列車はすすむわけです。 |
ハノイ | ニャチャン |