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ロッテルダムからロンドンへ向かうバス。途中、ユーロトンネルを潜りますが、なんとバスごとでっかい電車のなかにはいります。荷物みたいだ。 驚いたのは、トンネルの手前にある二回の国境審査。フランス側で二人、イギリス側で三人、バスに乗っていた人がいなくなった! そう、強制送還。同じヨーロッパとは思えない徹底したチェック。 くわばら。 |
■最後はロンドン ヨーロッパの最後はロンドン。 夏、7月に同じイギリス、コッツウォールズの旅から始まった三ヶ月半のヨーロッパ周遊も、いよいよここで終わります。季節はもうすでに晩秋。 しかしロンドンは寒かった。気候も財布も。ほんとに。ブラジルのビザをとったり、友だちにあう予定があったりして、滞在日数は長くなると最初からわかっていたのだけど、やっぱり高いホテル代が財布を圧迫する! 食費も移動代も何もかもがどの国どの街よりも高い。 そんなロンドンですが、ウインドウショッピングとミュージアムめぐり、それに日本の物が売っているので、本屋さんで立ち読みしたりと結構楽しい毎日ではありました。 ■お金について気付いたこと イギリスは高い! ほんとに高い。 コーラ1£(200円) ホテルも普通のところで60£(12000円)くらい。 それにご飯も高い。ふつうのレストランの一品がだいたい8£(1600円)くらい。 洋服も高くワイシャツが25£(5000円)くらい。ちなみにユニクロのフリース、これ15£(3000円)は破格らしい。 「全く、1£100円だと思わないとやってられないよ」と根本さんが言った。 根本さんは最近ロンドンに駐在するようになった会社時代の先輩。 「そうだよなあ。」と思い100円で計算すると コーラ100円、ホテル6000円、 レストランの一品800円、ワイシャツが2500円。 おお、日本並みですね。 「あれ?」 ここではたと気がついた。 「どの国でもみんなコーラは『1なにがし』だったんじゃないか?」 たとえばコ−ラの値段。 東京100円 ロンドン1£ パリ1E ネパール10ルピー エジプト1E£ タイ10バーツ ブラジル1レアル よくみるとみんな頭が1ですね。 日本円におきかえるとこれはそれぞれ 東京100円 ロンドン200円 パリ125円 ネパール20円 エジプト30円 タイ30円 ブラジル40円 となります。 コーラ一本の値段、これこそがその国の物価の基準となるわけです。 いいかえると「その国のいろんなものの値段が高いのか安いのかの判断材料」になります。 例えばホテルの値段。 ロンドンでは40£の部屋に泊まりました。パリでも40E。 ともにコーラの40倍、日本だと4000円の部屋レベルと言うことです。 これは安いといえますね。 ロンドン40£は日本円では8000円ですけどね。つまりイギリス人にとって40£というのは、日本人が4000円に感じるのとおなじ感覚ということです。 タイでは300バーツの宿。コーラ30倍ですね。これはまあ安い。タイ人からしてもまあ安いということです。ところがブラジルでは164レアル。コーラ164倍! これはかなり贅沢と言うことです。日本の物価感覚的には16400円。 エジプトの部屋は60E£。コーラ60倍だからまあまあいいところでしょうか。日本円に換算すると1800円ですが。 つまりどの国でもコーラの値段を基準にすればそのものの値段が高いか安いかわかるわけです。これは意外とつかえます。 |
■ロンドン在住の友だち ■たんごさん(左) ムサビの同級生。卒業後、ロンドンに。現在は某有名デザイン事務所でプロダクトデザイナーとして働く。右は同僚の鶴丸さん。彼女もムサビの卒業生。 2人ともロンドンで地に足をつけて働いている感じがした。ロンドンのような厳しい世界で、きちんとクリエイティブの仕事をしているのは、ほんとにすごいと思う。 |
■根本さん 富士通時代の先輩。同じ部署で二年間一緒に働いてた。本社に移動後、あるとき一念発起、英語など語学も含めて、かなり勉強したようです。MBA取得のための大学に合格、会社をやめて通うはずが、同じ時期に会社からロンドン駐在の辞令が。迷った果てに、秋からロンドン駐在を選択。今回家探しでロンドンの物価に驚愕したそうです! |
■アオシマさん ムサビ時代の助手さん。助手引退後、パリに留学。一時期国後、今度はロンドンに国費留学生として再び渡欧。現在学校に通いながら作家活動中。 本人いわく「言葉のカベは厚かった」そうで今回はかなりマジです。生活は大変そう。 |
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■テートモダン ロンドンを代表するミュージアムのひとつテートモダン。いわゆる近代美術館。 昨年、テムズ川ぞいにあったもと発電所を、外側はそのままに中身をミュージアムに改造。最近はやりのリビルト。ついでに川を挟んで対岸まで歩道専用の橋まで新設。話題になった。 で、感想。この美術館、大変よろしくないと思う。 建物は広く、でかい箱。各部屋の絵画や彫刻の配置も少し見にくいし、内装も安っぽくみえる。照明の問題か? 建物全体的に「仮のもの」ぽく感じる。導線も不明瞭。エントランスからのアプローチも分かりにくい。 また、常設展示の展示方法が変わっていて、時代別や作家別ではなく、美術館側が設定したテーマにそって、時代も作家もまぜこぜに配置されている。デュシャンのとなりにマネがあったりするのです。 美術に詳しい人にとってはこういう時代越しの展示方法は面白いと思うのですが、ちょっと無理があると思う。そういうのは本でやればいいんじゃないか? 今までの美術館に対するひとつのアンチテーゼというか、「新しい美術館のあり方の提案」みたいなことだと思うのですが、建築、立地、展示方法などなど全体のコンセプトが散漫で、相乗効果になっていないと感じた。歩道だけの橋をわざわざ作るあたりも含めてバブルの典型のようなハコでした。 そのままディスコにすればジュリアナか?というのは言い過ぎ? |
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■ロンドンのホテル やっぱり高いんだよなあ。 ロンドンでは2つのホテルに泊まりました。 ロンドンは入国審査が厳しいと聞いていたので、ホテルが決まっていないと不利かなと思い、ロッテルダムのインターネットカフェでホテルをさがして決めました。 ここはなんとキッチンつきのきれいなホテルで60£。レストランも高くてうまくないのでキッチンは大活躍。ロンドンでは日本の食材にもめぐりあえたので、寒いし、うどんすきをつくってたべました。感動!
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■大英博物館 こちらもロンドンを代表するミュージアムのひとつ。ここも最近改装が終わったそうで、前に来た時とずいぶん変わっていました。 さて、こちらの改造は大成功だと思う。 かつての大英博物館は、コの字型に並んだ3つの建物からなっていました。3つともでかすぎて、建物内での移動が大変だったのですが、今回の改造で、中庭をまるごとガラスのドームで覆いました。これによって中庭を介して、三方の建物にスムーズに行ったり来たりできるようになったのです。また、そこにできた大きな空間のまん中に円形の図書館を新設、建物の壁一面に蔵書が並ぶ様子は圧巻! じつはこの図書館の形は昔の大英博物館の図書館と同じで、初期の設立者の意図を現代ふうにアレンジしたのだそうです。素晴らしいリミックス。 この 図書館を中心としたひろいスペースも有効活用。カフェやニュージアムショップ、それに特設ステージまであって、そこで民族音楽のライブもやってた。モアイがみえるカフェで自然光の下でコーヒー飲めるのはすばらしい。天井あるから寒くないし。 「見学に疲れたら、まん中に行けばいい」っていうかんじで、まえよりもずっと楽しく見学できました。 |
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【はみだし】★友だちに会い、日本の食材を買ったり本をよんだりと、日本を満喫したついでに、イッセー緒方ロンドン講演にいってきました。日本で見るより安いってどういうことだ! 内容はちょっとシニカルで、面白かったけど暗くなった。共演の桃井かおりに興奮!
ナマ桃井はキレイだった!
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ロッテルダム | リオデジャネイロ |