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とにかく高いイギリス しかもトップシーズン ソルスベリについてインフォメーションでゲストハウスを探してもらう。まあここはアジアでは無いのだからと控えめのつもりで日本円で4000円と言ってみる。「あるわけない!」と。初夏のイギリスはトップシーズンで、週末やバカンスを楽しむイギリス人で観光地は満杯状態。 やっと見つけたB&B(Bed and Breakfast。イギリスの民宿)は駅からも遠いのに、なんと一泊55ポンド=11000円! 今まで三ヶ月間、破られることのなかった、ホテルの最高価格(日本の下関のビジネスホテル6000円)が、あっさり破られる。しかも倍近い金額。11000円ならアジアではどんなところに泊れるのか想像してしまう。それにしても高い、なんて高いんだ! 先週のホテルは4.5ドル、500円。実に20倍。しばし愕然とする。 気を取り直して「日本にかえってきた」と思うことにする。コーヒー、水、バス代、電車、どれをとっても日本並み。唯一安いと感じたのは、ビール。パイントジョッキで300円から500円。 まあ、すこし諦めがちに、こんなイギリスをどう楽しむか考えることにした。 早速、滞在期間を短縮する方向でご検討! |
■ イギリス、なんと豊かな国! |
■イングリッシュ・ヘリテイジ |
■イギリスがきれいな理由 イギリスにはナショナルトラストやイングリッシュヘリテイジ以外にも様々な団体があってメンバーシップをつのっています。 これらの団体は、個人や政府、会社だけでは解決しにくい様々な問題を組織的に解決する役割をになっています。 たとえばナショナルトラストを例に取ると、政府はナショナルトラストに優遇の措置を設けたり、共同で問題を解決する政策をしき、ある政策を実行する時にもその政策を検証する動機になり、またあるときはナショナルトラストの存在がむやみな開発の抑止力になりえます。 個人はナショナルトラストに寄付したり会員になったりすることで能動的に参加できますし、美しい自然環境という恩恵を受けます。 ナショナルトラストの存在は、個人の意識の向上に少なからず影響を与えています。またや会社もナショナルトラストの考え方に一目置いた上で経済活動を行う必要性が出てきます。 少なくとも日本の諫早湾のようなことはイギリスではおこらないでしょう。 個人に善意や道徳があり、またそれを受け入れ、具体的に実行できるる強い団体があり、政府や会社もそういうことを意識しながら活動する。イギリスの美しさは、個人、政府、団体、会社などがよいスパイラルを描いているところにあるといえるでしょう。 イギリスという国の美学はこういうところにあると思いました。 |
■ナショナルトラスト 19世紀の産業革命によって人々が物質的に豊かになった反面、大規模な自然破壊や公害など様々な問題で、かつての自然環境が脅かされるようになりました。そんなときに、心ある人たちがイギリスの美しい景観を維持するために土地を買いはじめました。やがてその考え方に共鳴する人たちがお金を寄付するようになって、できた団体がナショナルトラストです。以降、王室の協力などもあって、イギリス国中に存在する美しい自然環境のほとんどがナショナルトラストの所有になっています。 現在もメンバーを募集しています。 こういう保護地域に立ち入るのにはメンバーでなくとも入場料などは一切かかりません。ただそこに自然があるだけです。 クルマではいってはいけない場所や自転車や馬で入れる場所など決まりはありますが、極めてオープンで、みんな自然の中でピクニックしたりハイキングしたり実に自由で優雅です。 またナショナルトラストの保護地域の周辺も、近隣の人々や自治体の取り決めによって自主的に同じように維持されていたり、国立公園になっていたりします。道路の整備も充分な配慮がなされていて、結果的に、いろいろな団体の紳士的な結びつきで美しい景観が維持されています。 敷地内にはほとんどゴミ箱もありませんが、ぜんぜんゴミが落ちていません。ほんとに。これはほんとうにすごいことです。風景も美しいですがその後ろにある人の心も美しい。美学ですね。今までこんな国は無かった。 |
【はみだし】 ★「ソルスベリ」というのは僕が聞いた音での和訳なんですが、ガイドブックには「ソールスベリ」とかいてある。空港で聞いた時これでは全然伝わらなかったんだよね。どっちかというと「サルスベリ」とか「ソルスブリ」と言った方が伝わった。(吉澤さんには笑われますが。)ストーンヘンジも「ストンハンジイ」。けっこう本場英語の音はきいてみないとわからないね。 |