POKHARA
【DATA】
[広さ] ★★
町は小さい。名所まではバスで。
[物価] ★★★★★
105%東京 ! 下参照
[人の
よさ]
★★★★
[治安] ★★★★★
良い。
[移動容易度] ★★★
バスでの移動が中心。これまた高い。
[総合おもしろさ@せつ]
★★★
[総合おもしろさ@さな]
★★

[この町のホテル]
B&B
55UK£(11000円)
朝食/つき トイレバス/out of room 冷暖房/オイルヒーター 接客/まあまあ 立地/駅から遠い 清潔さ/よい
 
オプション/ソファあり 鏡台あり、景色がよい ポットがある

2002 July 17-19 3days

とにかく高いイギリス
しかもトップシーズン ソルスベリについてインフォメーションでゲストハウスを探してもらう。まあここはアジアでは無いのだからと控えめのつもりで日本円で4000円と言ってみる。「あるわけない!」と。初夏のイギリスはトップシーズンで、週末やバカンスを楽しむイギリス人で観光地は満杯状態。
やっと見つけたB&B(Bed and Breakfast。イギリスの民宿)は駅からも遠いのに、なんと一泊55ポンド=11000円! 今まで三ヶ月間、破られることのなかった、ホテルの最高価格(日本の下関のビジネスホテル6000円)が、あっさり破られる。しかも倍近い金額。11000円ならアジアではどんなところに泊れるのか想像してしまう。それにしても高い、なんて高いんだ! 先週のホテルは4.5ドル、500円。実に20倍。しばし愕然とする。
気を取り直して「日本にかえってきた」と思うことにする。コーヒー、水、バス代、電車、どれをとっても日本並み。唯一安いと感じたのは、ビール。パイントジョッキで300円から500円。 
まあ、すこし諦めがちに、こんなイギリスをどう楽しむか考えることにした。
早速、滞在期間を短縮する方向でご検討!

■ イギリス、なんと豊かな国!
ヒースローについた。 空港のセキュリティとパスポートコントロールを超えていよいよ下界?へ。 いつもの客引きが来ない!アジアの国々でイヤという程味わったタクシーやホテルの客引きが来ない! だれもぼくらのことなんか意識していない!
懐かしい。なんだ?落ち着いた空間、静かで優雅な感じ。それにインフォメーションセンターがある。何でも教えてくれるし、嘘も無い。タダ! 切符を買った。クレジットカードで買うのに手数料がいらない。当たり前の事が当たり前に過ぎて行くのに驚いた。
道に出てもクラクションが無い。カートが並び、人は列を作っている。信号がある。 とにかく何をするにもストレスが無く時間がかからない。
さて、今回僕らはロンドンには行かず、空港から直接ソルスベリというスト−ンヘンジの近くの町へ向かった。バスでウォキングという駅まで行き、そこから電車でソルスベリまで。驚いた、値段。高い。48ポンド8800円! ただの移動なのにアジアで一日暮らすより高くつく。 日本と比較してもこの値段は高いと思う。イギリス経済は今、ちょっとしたバブルだそうです。景気が良く、ポンドがどんどん上がっている。いま1ポンド200円。みじかなねだんでは、水1.5L180円やコーラが110円から180円。日本と同じかそれ以上。駅でコーヒー買おうと思ってやめた。99ペンス=200円。直前までいたカトマンズの値段とくらべてしまって後込みしてしまう。
しかしソ−ルスベリまでの道のりは快適そのもの。バスは揺れないし、道は恐ろしいくらい整備されている。日本以上。日本と決定的に違うのは高速道路にお金がいらない。信号がほとんどない。ロータリーを旨く使った道路網は本当に分かりやすくスムーズ。
そんなこんなで駅についた。駅ではほとんど荷物を抱えることなく転がしていける。くるま椅子の人のためのバリアフリーですね。電車の時刻も正確、仮におくれる場合、おくれ時間が一分単位で出ている。 電車も、とにかく快適。日本以上に静かで優雅な列車。たぶんディーゼル。車内もきれいでデザインもおもしろい。とにかく感心しまくってしまった。
それからさらに驚きは車窓の風景。全部が庭みたい。ゴルフ場のようです。どこまでも続くなだらかな丘に、牛やひつじがいて、きれいに整地された畑があり、花でいっぱいの野原が。ゴミがない! 行く手を遮る広告や邪魔になるものが何も無い。本当に無いのです。
景色が、人間が作ったものとは思えないくらい整備されている。ほんとうに美しい都市計画。なんということでしょうか、この国は。

■ストーンヘンジの玄関口
ソルスベリはコッツウォル地方の下にあるけっこう大きな町で、ストーンヘンジの玄関口でもあります。ぼくらはここに二泊(今まででは考えられないくらい短い滞在!)してストーンヘンジを見たらレンタカ−でコッツウォルズのいくつかの村を訪ねることにしました。
ソルスベリには見るものがいくつかあるのですが、有名なのはストーンヘンジですね。それからイングランド一高い塔を持った教会。たぶんイングランド一と言うことは、スコットランドやウェールズにはこれより高い塔があるんだろうな。
 まずストーンヘンジ。有名な世界遺産、古代の遺跡ですね。遺跡のアウトラインはいろいろな研究がされているのでそういう文献に譲るとして、感想。「ちょっとびっくりした」という感じでしょうか。規模も大きさも予想してたような感じで、平原の中にぽっと表れるのでびっくりします。 遺跡は以前は直にさわれたそうですが、今はロープで遠巻きに眺めるのみです。

驚いたのは周りの平原。ここらへん一帯はナショナルトラスト(以下詳細参照)の所有なので、余計な建造物が一切ありません。ほんとうにイギリスらしい眺めの中に、ストーンヘンジがぽつんとあります。
しばらく昼寝したりしました。ピクニックしてる人もいます。周りには本当に何もありません。入場のゲートと併設されるオフィシャルの土産屋と駐車場だけで、それらもできるだけ目立たないように控えめに設置されています。徹底していて感動しました。



ソルスベリへ行く電車。イギリスは公共の物におもいきった斬新なデザインを取り込むことが上手だ。
それと同時にスタンダードで整備された伝統的なデザインも秀逸で驚く。


電車内のサイン。バスのまどからみたストーンヘンジ。いきなりあらわれる。


ストーンヘンジ。ぐるぐる回る人々をバックに「説明棒」を聞くぼく。これ無料。なんと日本語版がある!


ストーンヘンジでねる。右、インフォメーションボードのデザイン。


トイレは表からみえにくいように。傾斜にうめこむように。


■イングリッシュ・ヘリテイジ
ストーンヘンジを始めとするイギリスにあるたくさんの歴史的遺産を包括的に維持する団体。大小様々な建物や公園などを、同じ考えの元に維持、公開しているので、登録されている観光地にハズレがないという安心感がある。全部の建物のサインやパンフレットのデザインが統一されていて美しい。パンフレットや書籍、グッズなども統一感のあるデザインがなされている。
道路の標識にもこのマークで表示があるので一発でわかる。さすがだなあと思う。
お金を払って一年間のイングリッシュ・ヘリテイジのメンバーになると、すべての建物や場所に無料で入れる。季刊誌が配られ特典も多数。それから、家族や夫婦、学生、シルバーなど細かく会員料金が設定されていて割安になるあたりもイギリスらしい。
外国人は割安で二週間の期間限定会員になることもできて旅行中便利。
値段はもちろんなのですが、思想や考え方、意義に共感してぼくらもこれに入会しました。

■イギリスがきれいな理由
イギリスにはナショナルトラストやイングリッシュヘリテイジ以外にも様々な団体があってメンバーシップをつのっています。
これらの団体は、個人や政府、会社だけでは解決しにくい様々な問題を組織的に解決する役割をになっています。
たとえばナショナルトラストを例に取ると、政府はナショナルトラストに優遇の措置を設けたり、共同で問題を解決する政策をしき、ある政策を実行する時にもその政策を検証する動機になり、またあるときはナショナルトラストの存在がむやみな開発の抑止力になりえます。 個人はナショナルトラストに寄付したり会員になったりすることで能動的に参加できますし、美しい自然環境という恩恵を受けます。
ナショナルトラストの存在は、個人の意識の向上に少なからず影響を与えています。またや会社もナショナルトラストの考え方に一目置いた上で経済活動を行う必要性が出てきます。
少なくとも日本の諫早湾のようなことはイギリスではおこらないでしょう。
個人に善意や道徳があり、またそれを受け入れ、具体的に実行できるる強い団体があり、政府や会社もそういうことを意識しながら活動する。イギリスの美しさは、個人、政府、団体、会社などがよいスパイラルを描いているところにあるといえるでしょう。
イギリスという国の美学はこういうところにあると思いました。
■ナショナルトラスト
19世紀の産業革命によって人々が物質的に豊かになった反面、大規模な自然破壊や公害など様々な問題で、かつての自然環境が脅かされるようになりました。そんなときに、心ある人たちがイギリスの美しい景観を維持するために土地を買いはじめました。やがてその考え方に共鳴する人たちがお金を寄付するようになって、できた団体がナショナルトラストです。以降、王室の協力などもあって、イギリス国中に存在する美しい自然環境のほとんどがナショナルトラストの所有になっています
現在もメンバーを募集しています。
こういう保護地域に立ち入るのにはメンバーでなくとも入場料などは一切かかりません。ただそこに自然があるだけです。
クルマではいってはいけない場所や自転車や馬で入れる場所など決まりはありますが、極めてオープンで、みんな自然の中でピクニックしたりハイキングしたり実に自由で優雅です。
またナショナルトラストの保護地域の周辺も、近隣の人々や自治体の取り決めによって自主的に同じように維持されていたり、国立公園になっていたりします。道路の整備も充分な配慮がなされていて、結果的に、いろいろな団体の紳士的な結びつきで美しい景観が維持されています。
敷地内にはほとんどゴミ箱もありませんが、ぜんぜんゴミが落ちていません。ほんとに。これはほんとうにすごいことです。風景も美しいですがその後ろにある人の心も美しい。美学ですね。今までこんな国は無かった。


さえぎるものの無いきれいな風景。雲の表情が豊か。右は古いお城跡(これもイングリッシュヘリテイジ)。


アーセナルファンのランドリーのおやじ稲本のはなしとかで小一時間話し込む。ソルスベリの教会。イングランド一高い塔。



【はみだし ★「ソルスベリ」というのは僕が聞いた音での和訳なんですが、ガイドブックには「ソールスベリ」とかいてある。空港で聞いた時これでは全然伝わらなかったんだよね。どっちかというと「サルスベリ」とか「ソルスブリ」と言った方が伝わった。(吉澤さんには笑われますが。)ストーンヘンジも「ストンハンジイ」。けっこう本場英語の音はきいてみないとわからないね。

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Thanx for all of cheers and all of kindness. We are realy happy man.

2002 Hayato Setsu and Sanaichi Tashiro