ボリビアはこの旅行で中国の国境越えに次ぐハードな旅程でした。思えば私が印象に残っている所は、すんごく頭に来たり、悩んだり笑ったり、良くも悪くも「感情を大きく揺さぶられた所」。このチリからボリビアにかけての数日間ではさらに体にまで大きな変化が! ここは平均標高4300メートル。最高地点で5000メートルまで登るため、空気の薄さと気圧の変化で、「高山病」を引き起こす危険があるのです。軽い傾斜を登るだけでひどく息がきれ、せつ君は倦怠感でグッタリ。私は頭痛で初日はほとんど眠れなかった。
それでも「これがウワサの高山病....!」と、ズキズキと頭が脈打つのを感じながら、自分の体に起こっている異変にマゾ気味に満足。 高所であるため日ざしも強烈で、空気が薄く、かなり遠くまでくっきりとみわたせる。そんな透きとおった青空の下、ぼこぼこと泡立つ間欠泉や、火山の影響でピンクやみどりに染められた湖を見ていると、いつもは建物やアスファルトで見えなかった、むき身の地球を見ているような気がして、自然の荒々しい部分に気付く。 ジープで走っても走っても続く赤茶色の景色、泡立つ湖、ここは生き物にとっては過酷なところだな、ほうり出されたらもたないな、そんな想像にちょっとゾッとするころ、その日泊まる日干しレンガの建物に付く。だだーっと広い半砂漠の中にポコンと置かれた箱見たいな家。シャワー無し。トイレも夜間は使えない。それでもちゃんと家族が住んでいて、大きなニット棒をかぶった子供たちが顔を出す。可愛い! ちいちゃいお姉ちゃんたちはさらにちいちゃい妹の面倒を見ていて、おんぶしたり、だっこしたり。 すごいなあ。こんな過酷に思える場所で、人はちゃんと生きてるんだなあ。 最後に辿り着いたウユニ塩湖は、私がこの旅でいちばん行きたかった所。やっと来たぞー!感動!面積が新潟県ほどもあるその湖は、結晶化した塩で見渡す限り真っ白!真っ赤な地平線の次は真っ白な地平線。見るものみんな、どこまでもでかーい! |
ウユニの町に一泊して次はボリビアの首都ラパスに向かう。 バスに乗って12時間。ハードな国境越えを終えて改めて眺めると、そこにはやっぱり赤茶色の乾いた大地。車輪で付けた一本の道だけが、果ての果てまで続いてる。まるで地球の輪郭を見てるみたい。 日本の音楽を聞きながら流れてく景色はなんだかすごくなつかしかった。「らいおんはーと」が、なんでこんなにしみるんだろう。 これまでの3日間はただただ夢中で過ごしてきたけど、不思議なことに後から後からじんわりと思い出が湧いてくる。やはり体ごと感じたことはシミかたが違うらしい。頭で感じるより先に感情が湧いてくる。短かったけど、ほんとうに濃い3日間! きっとこの景色は忘れない。 自然のスケールの大きさ、人のあったかさを感じたい人には、ぜひお勧め! |
【実際行くには...】 まずアメリカ経由で首都ラパスまで行き、そこからオルーロまで国内線。その先は道のない道をボローいバスでウユニにいくことができる。僕らが行ったのとは逆のコースになるが、ウユニからチリに抜けるこのツアーはたくさん出ているのでそれに参加する。チリには抜けずウユニ塩湖だけいくツアーもある。 僕らが行ったようにように行くには、アメリカ経由でチリのサンチアゴまで行き、国内線でアンティファガスタまでいく。そこからバスでまずカラマまで行き、乗り換えてサンペドロデアタカマへ。ここからウユニ塩湖経由のボリビア行きのツアーがぼくらの参加したこのツアー。 ウユニは小さい街だが、銀行や商店など一応なんでもそろっている。ここで一泊し、次の日ラパスまでバスで行った。(所用12ー14時間)この途中の風景がまたすごい。天国のような地獄のような景色。 日本からウユニだけいくのは大変むづかしく時間も体力も必要。他の観光地、とくにペルーなどと組み合わせるといいと思うが、2週間ではキビしいかも。 |
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